WEB3でよく聞くDAOってなに?
WEB3の台頭により、注目をあつめているDAO(ダオ)。
NFTやブロックチェーンについて調べているとよく目にするDAOですが、どのような組織なのか、なかなかイメージが掴みにくいのではないかと思います。
ですが、DAOはNFTと同じくらいWEB3を語る上で欠かすことができない重要な概念の一つになりつつあります。
今回の記事では、「DAOとは何なのか?」について解説していきたいと思います。
■DAOってなに?
DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の略称で、「自立分散型組織」という意味があります。一般的にDAOは、会社やサロンと同様に組織やコミュニティのひとつですが、その2つとは決定的に異なる形態をとなっています。
【DAOの組織形態の特徴】
ブロックチェーン上で実行されるルールを共有し合い、同じ目標を中心に組織されたグループであること。
様々なトークンを用いることで、参加者のインセンティブが調整可能であるということ。これは個人が組織に貢献すればするほど、その対価が支払われる仕組み。
場所や立場を選ばずに、フラットな関係のまま、参加者が自律して組織に貢献できる構造であること。
組織の意思決定は特定の個人が有するのではなく、複数人による投票制であること
以上、4点がDAOの組織形態の特徴です。
会社組織の多くが取締役会の決議によって、「中央集権」的に意思決定が行われてきました。対してDAOは、複数のNFTホルダー(NFTを所有する人)による投票制となっており、中心に決定権を持つリーダーがいなくても、組織自体が自律的に活動し続けられる仕組みになっています。
このように、WEB3の思想に則った「非中央集権の合議制」によって意思決定を行うことができるのが、DAOの最大の特徴と言えるでしょう。
■WEB3の思想
では、DAOの根底にあるWEB3の思想とは何なのか。
普段、僕たちが日常的に使用しているSNS(ソーシャル・ネット・ワーキングサービス)を例に説明していきたいと思います。
SNSが普及した現在、僕たちは自由に情報を発信し、キャッチアップすることができるようになりました。それだけではなく、リアルでは交流することのなかったコミュニティとの交流、表現活動の広域化と流通など、挙げればきりがないくらいに生活のインフラとなっています。
こんなふうに書いてみると、なんだか自由で多様性のあるような気がしますが、これらはSNSを運営する企業が提供していることが前提で成り立っています。逆に言うと、運営会社がなんらかの事情によって倒産してしまえば、そのSNSも使えなくなってしまうのです。
そのため、せっかく素晴らしい理念を持ったコミュニティや創作物が生まれたとしても、現状のSNSでは運営する企業に所有されたモノとなります。
こうした、中央集権的な企業によるユーザーデータの所有に疑念を持ち、インターネット本来の思想である「誰にでも開かれた場所」を、ブロックチェーンやスマートコントラクトによって実現することがWEB3の思想です。
■DAOの価値
WEB3の思想から生まれたDAO。
「誰にでも開かれた場所」を実現するDAOの価値とは何なのでしょうか。
1.財務状況の透明化
1点目は財務状況の透明化についてです。
会社法人の場合、出資者が財務状況について知ることができるのは、決算のタイミングが一般的です。
ですが、DAOの場合は常にリアルタイムで財務状況や取引の内容、投票によって決定した内容まで全てパブリックブロックチェーンに記録されていくため、透明性が確保されています。
2.ソースコードの公開
社会貢献と営利を目的にする会社の場合、自社のソースコードは会社の資産となるため、基本的に公開されることがありません。
一方、DAOではソースコードを公開することがしきたりとなっています。これは、オープンソースとして公共性を持たせることにより、世界中の人々と共に技術や知識を共有していくというWEB3の思想が反映されているためです。
3.利益の享受
利益の享受についてもDAOは特徴的です。
基本的に株式会社では株主や取締役を中心に利益の多くを得るようなシステムですが、DAOの場合、プロジェクトの参加者は貢献度によって利益の分配が決定します。役職や継続年数によって左右されず、クリアに利益を享受できるのです。
4.決定事項の見える化
財務状況の透明化と同様、DAOではすべての決定事項等はブロックチェーンに記載されるため、情報は常にオープンとなります。
世界中どこにいてもブロックチェーンにアクセスすることさえできれば、すべての決まり事を参照することが可能なのです。こうしたブロックチェーンの性質は「verifiability(検証可能性)」と呼ばれており、従来の会社の仕組みよりも非常に透明性が高いことが特徴です。
■さいごに
今回は「DAOとは何なのか?」について解説していきました。
しかしながら、DAOはWEB3と同様、概念としてはまだ新しく、厳密に「DAOとはなにか?」を定義することは難しいように思います。
より詳しくDAOを理解していくためには、現在進行形でその動きを追っていく必要があり、常に新しい情報にアンテナを伸ばすことが重要となってきます。
今後もこちらのブログでも、DAOやWEB3の動きについて進展があった際は更新していきますので、ぜひチェックしてみてください。